

アンテベートは、炎症やアレルギーを抑える強い効果があり、軟膏の他、ローションやクリームなどがあります。このアンテベートはアトピー性皮膚炎など始めとする様々な湿疹に処方されています。
今回は、この強い作用があるアンテベート軟膏についてみていきましょう。
アンテベートの種類と成分
アンテベート外用薬の種類と主成分は以下の通りです。
アンテベートに含有されているベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルは、副腎皮質ホルモンの1つで、炎症を抑えたり、痒みを軽減させたりする作用があります。
また、傷あとの過剰増殖を抑える作用もあり、ケロイドの治療にも用いられます。
種類 | 軟膏、クリーム、ローション |
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成分 | ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル |
処方される主な症状
- 湿疹や皮膚炎
- 乾癬(かんせん)
- 虫さされ
- 薬疹・中毒疹
- 痒疹(ようしん)
- 紅皮症(こうひしょう)
- 紅斑症(こうはんしょう)
- 円形脱毛症、
- ケロイド、など
アンテベートの強さと副作用について
使用を中止する目安 | 症状の悪化や改善がみられないとき |
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アンテベートは、ステロイドの中でも2群(ベリーストロング)に分類されています。
2群(ベリーストロング)が処方される症状は、高度の腫脹(しゅちょう)や 浮腫、浸潤ないし苔癬化を伴う紅斑、丘疹の多発、高度の鱗屑、痂皮の付着、小水疱、びらん、多数の掻破痕などです。
高度の腫脹(しゅちょう)とは、炎症によって皮膚の一部が腫れあがることで、浸潤(しんじゅん)ないし苔癬化(たいせんか)を伴う紅斑とは、主に象の肌のようになってしまった肌のことで、主に重症化したアトピーの症状などを指します。
しかし、ステロイドは免疫を低下させる作用もありますので、水疱瘡や切り傷、ヘルペス感染症にはあまり処方されません。
アンテベートは妊婦や赤ちゃんに使用できるのか
アンテベートは強いステロイドですが、妊婦が使用する際は、医師の定めた適量であれば、使用しても問題ないとされています。
また、赤ちゃんの場合は、密封法(ODT)をした場合は、発育障害の可能性があるそうです。この密封法(ODT)とは、薬の効果を高める方法で、薬を塗布した部分をラップなどで包むと言う手法です。
「そんなことわざわざしないよ」と思ってしまいますが、実は赤ちゃんの場合、おむつの中に塗布した場合、密封法と同じような状態になってしまいます。
密封法を使用した場合、皮膚がより薬を吸収しやすくなり、効果や副作用を感じやすくなってしまうというメリットとデメリットがありますので、下半身に塗布する際は注意が必要です。
アンテベートは顔に使用できるのか
アンテベートは顔には使用できないとされています。
また、上記で紹介しましたが、ステロイドにふくまれる副腎皮質ホルモンは、免疫を低下させる作用がありますので、ニキビや虫刺されなどの炎症の治療には原則処方されません。万が一、顔に使用する際には、医師の指導の元で慎重に行うべきとされています。
また、アンテベートが目に入ると、緑内障などが懸念されますので、顔に塗布する際は、こちらも併せて注意が必要です。
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