

虫に刺されたかのような赤く盛り上がった湿疹が特徴の「水いぼ」。基本的に水いぼは自然に軽快していく皮膚病ですが、治りが遅い子もいますので、どうしても不安になってしまいますよね。
そこで今回は、水いぼを発症してしまった赤ちゃんの正しいケア方法を紹介します。
赤ちゃんの水いぼの原因はウイルス感染
水いぼは、ポックスウイルスに感染したことにより、体中に湿疹ができる病気です。
いぼが出来る場所は、手足や首、脇の下や胴体部分などで、真ん中が凹んでいるイボが発症し、どんどん広がっていきます。
直径1~2mm程度のいぼが段々と3~4mmまで大きくなり、ジュクジュク化膿してきますが、痛みや痒みはありません。また感染症のため、家族間や保育園でうつることもありますが、赤ちゃんに免疫力がついていけば自然に治る病気です。
赤ちゃんの水いぼは基本的には「治療しない」
赤ちゃんの水いぼは治療しなくても自然に治癒していきくため、受診しても「様子見」という診断を下す皮膚科もあります。
もし、いぼを取る診断を下された場合、除去する治療には液体窒素を用いることがあります。液体窒素でのいぼの除去は、冷たくちょっとだけヒリヒリする程度です。私も液体窒素でのいぼ除去の治療経験がありますが、痛みはほとんどなく、氷のような感触のものを皮膚に押しつけられるため、少し子供が驚いてしまう程度だと思います。
銀色のスプレー缶の中にある液体窒素を麺棒のようなもので患部にあて、数十秒間いぼを焼いていきます。
1回では除去しきれないため、10日に1度通院し、何度か施術される場合もあることを頭に入れておいた方がいいでしょう。
赤ちゃんの顔の水いぼを取っても新しく出てくる恐れも
可愛い赤ちゃんの顔に水いぼができてしまうと、将来が不安になり「痛むけど取ってあげたい!」と悩んでしまいますよね。
ところが、水いぼウイルスは皮膚の中に潜伏していることが多く、せっかくいぼを除去しても、新たないぼが出現してくる恐れもあります。また赤ちゃんが無意識のに患部を掻いてしまうことでいぼが潰れ、正常な皮膚が感染していく…というケースも考えられます。
それでも「どうしても、このいぼを取りたい!」と思う時は、皮膚科で相談してみましょう。
赤ちゃんの水いぼに処方される薬
赤ちゃんが水いぼを発症した場合、症状に応じて薬を処方されることがあります。
皮膚科によって水いぼの治療方針は様々ですが、処方される薬は主にイソジンか保湿剤です。イソジンは、いぼを消毒しますが、かぶれなどの皮膚炎を恐れもあると言われてるのが現状です。またイソジンでいぼを消毒しても、即効性はなく治療には1か月程度時間を要することもあります。
赤ちゃんの水いぼをホームケアする方法
自然に治癒すると言われている水いぼですが、感染力も強いため、保育園やプールに入ってもいいのか迷ってしまいますよね。
基本的に水いぼは、自然に軽快していく皮膚病のため登園やプールに規制はありません。しかし、感染症という病気から、周囲の子に嫌がられてしまう恐れもありますので注意が必要です。
保育園は登園可!患部を隠して登園しよう
水いぼを発症していても保育園には登園できます。
しかし、水いぼは接触した部分から他の子にも感染していくため、掻いたり触れたりしないように、患部をガーゼなどで覆ってあげましょう。タオルも共有しないように、保育士さんに事前に相談しておくことが大事です。
来ている服をみんなと一緒に洗濯機で洗っても感染はしません。
プールは入水可!でも器具は共有しないこと
お子さんがベビースイミングなどに通っている場合は、インストラクターさんに相談してみましょう。プールの水から他の子に感染することはありませんが、炎症を起こしている皮膚が接触した場合は感染していきます。
スイミング中にガーゼは取れてしまいますので、他の子との接触、またはビート板や浮き輪、タオルなどを共有しないように注意しなければなりません。
早く治癒させるためには乾燥肌を保湿すること
全体的に乾燥しがちな体質の赤ちゃんは水いぼを発症しやすくなります。乾燥しがちな肌を保湿しバリア機能を整えてあげると、水いぼの感染拡大を防ぐことができます。
また、すでに発症してしまったいぼでも、保湿を続けていくことで炎症が小さくなっていきます。スキンケアをこまめに続けていくことで、皮膚の回復を手助けし、水いぼの炎症から赤ちゃんを守ることが可能です。
まとめ
水いぼは基本的には自然に治るのを待つ
感染する病気だが、登園は可能
スキンケアを続けると治癒が早くなる
水いぼが発症してから、赤ちゃんの体内で免疫力がつくまで、大体半年~1年程度かかります。その間に発症してしまったいぼを取り除いても、新たにいぼが出てきてしまう恐れもあります。
しかし、スキンケアを続け肌のバリア機能を強化することで炎症の拡大を防ぎ、いぼを小さくできますので、今日からでも皮膚の保湿を始めてみてくださいね。