
産まれたての赤ちゃんの肌がザラザラしていると、ママとしては非常にショックですよね。
乳児湿疹(にゅうじしっしん)は、早くて生後2週間から発症する湿疹です。産まれてすぐの赤ちゃんは、胎内でママからもらったホルモンの影響で皮脂量が多いために乳児湿疹を発症してしまいます。ところが、乳児湿疹の症状は1つではなく、よだれによるかぶれも乳児湿疹のひとつになります。
そこで、今回は乳児湿疹の原因と症状ついて紹介します。
乳児湿疹はどんな症状なの?
乳児湿疹は、乳児期に発生する湿疹の総称で、ここから症状が細かく分類されます。
この乳児湿疹の特徴は、頭皮や額、鼻やワキの下など皮脂量の多い部分に赤みのある湿疹が発生するところです。赤ちゃんは生まれてから生後4か月まで皮脂の分泌が多くベタベタ肌になってしまうのですが、それ以降は一気に肌が乾燥しやすくなります。
乳児湿疹の具体的な症状一覧
乳児湿疹は主に下記のような病名に分類され、原因も発症時期も異なります。
発生時期 | 原因 | |
---|---|---|
乳児脂漏性湿疹 | 生後2週間~3か月 | ホルモンによる皮脂分泌 |
新生児ニキビ | 生後1~2か月 | ホルモンによる皮脂分泌 |
接触性皮膚炎 | 生後半年~1歳半 | 唾液や糞尿によるかぶれ |
乾燥性皮膚炎 | 冬 | 皮膚の乾燥 |
アトピー性皮膚炎 | 生後4か月~成人 | バリア機能の低下と皮膚の乾燥 |
そこで、乳児が発症する主な湿疹の症状について詳しくみていきましょう。
乳児脂漏性湿疹
- 生後すぐ
- 黄色いかさぶたのような湿疹
- 受診が必要
乳児脂漏性湿疹(にゅうじしろうせいしっしん)は、乳児湿疹の中でも代表的な湿疹のひとつで、生後すぐに発症することが多い皮膚炎です。頭皮や眉毛、額など毛の多い部分に、ベタベタとした黄色いかさぶたのような湿疹ができ、痛みや痒みがないことが多く、生後8~12か月になると軽快していきます。
また、乳児脂漏性湿疹を洗いすぎたりするなど過剰なケアを行うと、乾燥性湿疹からアトピー性皮膚炎に移行していく恐れがあるので注意しましょう。
新生児ニキビ
- 生後1か月~2か月
- 膿を持った赤いポツポツ
新生児ニキビ(しんせいじにきび)は、生後1~2か月の頃に発する皮膚炎で、新生ざ瘡とも呼びます。医学的には、脂漏性皮膚炎と同じ意味になりますが、発症する時期によって名称がことなる場合があります。
痛みや痒みはなく、頬や額に赤いブツブツが発症し、悪化すると顔全体が真っ赤に見えることもありますが、特に治療を行わなくても1か月程度で軽快することが多いでしょう。
接触性皮膚炎(かぶれ)
- 生後半年~1歳
- おむつやよだれで赤くかぶれる
- 受診が必要
接触性皮膚炎(せっしょくせいひふえん)は、主にかぶれのことで、よだれかぶれやオムツかぶれのことを言います。よだれや糞尿によってふやけることで、バリア機能が低下した皮膚が接触によって傷つき、炎症を起こしてしまうのです。炎症が悪化すると、皮膚が真っ赤になるだけでなく、皮が剥けてしまい、痛みが生じることもあります。
また、よだれかぶれが発症する顔の皮膚は吸収率が高いため、徹底したスキンケアを行わないと防ぐことは難しいでしょう。
乾燥性皮膚炎
- 生後4か月を過ぎた冬の時期
- 鮫肌のようなボツボツや赤い小さな湿疹
乾燥性皮膚炎(かんそうせいひふえん)は、赤ちゃんの皮脂分泌が減少する生後4か月以降に発症しやすい湿疹です。症状が軽いうちはスキンケアで軽快しますが、悪化してくると強いかゆみを持ち、出血するまで掻き毟ることがあります。
また、乾燥性皮膚炎からアトピー性皮膚炎に発展していく可能性がありますので、早目のケアが重要となるでしょう。
アトピー性皮膚炎
- 生後4か月以降
- 強いかゆみをもつ赤い湿疹
- 受診が必要
アトピー性皮膚炎は、乾燥性皮膚炎が悪化したりして発生する、長期的な治療が必要な皮膚炎となります。症状は、強い痒みと、全身の湿疹が治っては再発するというリズムを繰り返し起こす慢性の湿疹です。
このアトピー性皮膚炎は自宅ケアで改善させることが非常に難しいため、皮膚科を受診する必要があります。
乳児湿疹の原因
赤ちゃんは、ママからもらったホルモンの影響によって、小さい体で成人と同じくらいの皮脂分泌がありますが、生後4か月を過ぎると、一気に肌が乾燥してきます。
そのため、生後すぐは脂性だった皮膚が、急にカサカサし始めたり、ジュクジュクした湿疹とカサカサした湿疹が混同してしまうのです。
また、離乳食が始まる生後半年以降には、かぶれなどの接触性皮膚炎の悩みも出てきます。
赤ちゃんはとても忙しいサイクルで体を作っていきますので、トラブルが起こらないようにケアしていくことが重要になります。
乳児湿疹の症状と原因についてまとめ
乳児湿疹は、病名と思われがちなのですが、症状によって細かく分類され、ケアもそれぞれ異なります。
また受診しなければいけないものや、スキンケアだけで軽快する湿疹もありますので、まずは赤ちゃんの様子をしっかりと観察することから始めましょう。