

「赤ちゃんがダニの被害に!」と聞くと、ダニに刺されたことによる湿疹をイメージしてしまいますが、本当に怖いのはアレルギー反応です。ダニは生きていても死んでいても赤ちゃんの体に悪影響を及ぼす恐れがあります。そこで今回は、赤ちゃんの湿疹とダニアレルギーについて紹介します。
赤ちゃんがダニに刺されると服の中に湿疹ができる
ダニはとても小さい生物なので、衣類の中にも簡単に入り込みます。そのためダニに刺されると、衣類の中に痒みのある赤い小さな湿疹が発症します。
また外にいるマダニは、大きいもので1mmと肉眼でも確認できるほど大きく、皮膚に張り付いていることがあります。外で「何か小さな虫が皮膚に張り付いてる!」と思ったら、無理に剥がさずに皮膚科を受診しましょう。無理に剥がすと毒針が皮膚の中に残ってしまうことがありますので注意してください。
しかし、本当に赤ちゃんにとって深刻なのはダニに刺されたことによる湿疹よりも、ダニを吸い込むことで起きるアレルギー反応って知っていましたか?酷くなると全身に湿疹が発症したり呼吸が苦しくなったりすることもあるんです。
ダニによる赤ちゃんの深刻なアレルギー症状4つ
家の中に生息している「チリダニ」は、生きていても死んでいても人間の体にアレルギー症状を引き起こしてしまうのです。
このチリダニを吸い込んでしまうことで、皮膚炎やぜんそくなどを発症することがあります。最近では3人に1人がアレルギーを持っており、その中の80%以上がチリダニアレルギーを保持しています。とても多いですよね。
1.痒みと湿疹を繰り返すアトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎を発症すると、痒みの強い湿疹が全身に発症します。
発疹したり治ったりを数か月の間繰り返してしまうようであれば、アトピー性皮膚炎かもしれません。アトピー性皮膚炎は軽症のうちにちゃんと治療すれば軽快する皮膚炎です。怖がらずにちゃんと治療を続けていきましょう。
2.チリダニを100匹吸い込むとぜんそく発症の恐れが
チリダニをある一定量以上吸い込むことでぜんそくを発症することがあります。
ダニの死骸やフンを100匹以上吸い込むことで体が感作(アレルギーをいつでも発症する準備が整い)し、さらにダニを500匹以上吸い込むことで発作が起こります。ダニは1件の家に数百万以上いると言われているので、いかに簡単にぜんそくが発症してしまうのかわかりますよね。
3.くしゃみ鼻水が止まらないアレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎を発症すると鼻水やくしゃみが止まらなくなります。
もしも換気をしたり屋外に出ることで症状が止まるなら、アレルギー性鼻炎を疑いましょう。アレルギーかどうかは小児科や耳鼻科、皮膚科などでアレルギーテストを受ければすぐにわかります。ダニにアレルギーを持っている場合、スギやブタクサなどにもアレルギーがあることが多いです。
4.目が赤く痒くなる結膜炎
赤ちゃんが結膜炎を発症すると、充血や目ヤニ、まぶたの腫れや涙目などの症状を発症します。
アレルギー性の結膜炎の場合、鼻炎も発症していることがあります。アトピー性皮膚炎のように肌のバリア機能が弱っている赤ちゃんは特に発症しやすくなりますので、注意して観察してあげてください。
赤ちゃんのダニ対策は家をキレイにすること
家の中には100種類以上の数百万のダニが生息していると言われています。
そんなダニが家の中で生息できない場所は、ほぼありません。そのくらいダニは日常的に溢れている生物です。ダニは布団を上げ下ろしすることで空気中に舞い、床に落ちていきます。そのため、寝転がる赤ちゃんはとてもダニの被害に合いやすいのです。
そんなダニは家をお掃除することで劇的に数を減らせますので、これから一緒に対策をしていきましょう。
赤ちゃんのダニアレルギーを予防するための掃除方法
赤ちゃんのダニ被害を減らすために、お部屋の中を掃除しましょう。
特にダニが多い家具を重点的に掃除するだけでもダニの被害を減らすことができます。家具ごとにダニの平均値を出しましたので、掃除の参考にしてください。
ダニの数(平均値) | |
---|---|
ぬいぐるみ | 400匹 |
マットレス | 69匹 |
枕 | 30匹 |
毛布 | 58匹 |
敷き布団 | 100,000匹 |
タタミ | 50,000匹 |
じゅうたん | 110,000匹 |
ソファー | 162匹 |
上記の表をみると、ダニが多い場所に共通しているのは「内部に潜り込めるか」どうかです。マットレスにはダニがあまりいないのに対し、中身が綿である敷き布団にはダニがとても多く繁殖していることがわかります。またタタミやじゅうたんなど、小さなダニが潜り込める隙間があるものは、ダニの棲家になっているのでしょう。
そんなダニを減らすお掃除方法をみていきましょう。
布団を掃除機で吸う
専用の掃除機でなくても構いませんので、敷き布団に掃除機をかけてあげましょう。掃除機をかける時間は、1㎡あたり20秒かけると効果的です。赤ちゃんの布団はそんなに大きくありませんので、数分で終了すると思います。毎日できれば上等ですが、1~2週間に1回でも大丈夫でしょう。
室内掃除はゆっくり時間をかけて
赤ちゃんがハイハイをする部屋や寝かせてあげることが多いお部屋は重点的に掃除機をかけましょう。急いで全室を手早く掃除するよりも、「今日はこの部屋。明日は隣の部屋」といったように1部屋1部屋丁寧にゆっくりと掃除機をかけてあげると効果的です。
年中換気する
布団の上げ下ろしをした際に、ダニは空気中を舞います。ダニが舞う空気を赤ちゃんが吸い込むことでアレルギーが発症する恐れがあります。舞ったダニは至る所に落ちてしまう為、冬でも換気してあげることが大切です。空気中に舞うのはダニの死骸やフン、ダニの体の欠片などです。
お掃除が苦手なママのための裏ワザ
育児疲れで「とても毎日しっかり掃除するなんてできない!」というママもいるかと思います。そこで、掃除をしなくても済むようなお部屋の改造方法を紹介しますので、参考にしてみてください。
畳からフローリングに
畳はダニの温床です。畳の目の隙間にダニは入り込んでしまうので、掃除が面倒なときは畳からフローリングに変えてしまいましょう。フローリングカーペットを敷いたり、赤ちゃんと過ごす部屋をフローリング中心にしたりするのがおすすめです。
布製のソファーに合皮カバーをかける
布製のソファーにはダニがより多く住み着きます。ダニが隠れにくい合皮製のソファーがおすすめですが、買い替えるのはとても手間がかかりますよね。そんな時は合皮製のソファカバーをかけるだけでもダニの被害を減らすことができます。
乾燥機をフル活用する
ダニは60℃以上の熱があると死滅します。50℃以上だと20~30分もあれば死滅してしまいます。乾燥機がないときは、天気のいい日に車の中に衣類や布団を入れておきましょう。車内の室温が50℃以上にまであがればダニを退治することができます。ためしてみてください。
赤ちゃんの肌を清潔に
ダニは人が住んでいない場所では繁殖しません。ダニは人の皮膚の垢を好んで食べるため、汚れの多い皮膚を好みます。そのため赤ちゃんの肌を清潔にし、乾燥してフケや粉ふきがでやすいような肌質はちゃんと改善しておきましょう。肌のバリア機能を高めることでアレルギーの発症を防ぐこともできます。
まとめ
- ダニは湿疹よりもアレルギー反応の方が深刻
- ダニは敷き布団や畳にたくさん生息している
- ダニは乾燥機をかけるとすぐに死滅する
人間の皮膚をエサに繁殖しているダニを除去するには、室内を掃除してあげる必要があります。完全にダニを死滅させることができなくても、アレルギーを発症しないレベルにまで減らすことが可能です。
また皮膚の垢やフケはダニの好物でもあるので、肌を清潔に保ってあげることで、ダニ刺されから赤ちゃんを守ることもできますので、ぜひためしてみてくださいね。
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