

とびひは伝染性膿痂疹(でんのうせいのうかしん)と言う、赤ちゃんでも発症する感染症です。
発症する主な原因は、あせもを掻いたり、虫に刺されたりすることで、傷口からバイ菌が入り、炎症を起こしてしまいます。一か所で発症すると、他の正常な皮膚へ次々に感染し炎症を起こしてしまうことから「とびひ=飛び火」と呼ばれています。
そこで今回は、赤ちゃんのとびひについて紹介します。
赤ちゃんのとびひの原因
赤ちゃんがとびひを発症してしまう原因は、黄色ブドウ球菌やA群溶血性連鎖球菌(溶レン菌)の感染によるものです。
この黄色ブドウ球菌やA群溶血性連鎖球菌は、鼻の中や爪、喉や便の中に存在している常在菌で普段は悪さをしませんが、免疫力が弱い赤ちゃんは発症してしまいます。
さらに、とびひは感染症で、感染者と接触することによって発症するので注意が必要です。
このとびひを防ぐためのワクチンはありません。
赤ちゃんのとびひの主な症状
とびひには、黄色ブドウ球菌による水疱性膿痂疹(すいほうせいのうかしん)と、溶レン菌による痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん)の2つの種類があり、それぞれ症状が異なります。
主な症状は以下の通りになります。
水ぶくれができる水疱性膿痂疹
主な症状 | かゆみをもった水疱 |
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発症時期 | 夏 |
発症年齢 | 7歳未満の乳幼児 |
黄色ブドウ球菌によるとびひは、かゆみを持った水疱が次々に広がります。
この膿をもった水疱を掻いてしまうと、「びらん」となり、破れた後、皮膚がただれてしまい赤くむけたような状態になります。
さらに、この膿には細菌がたくさんいるので、他の皮膚も炎症を起こしたり、周囲の赤ちゃんうつったりするなど、次々に感染を起こしてしまいますので、患部はガーゼで覆いましょう。
発症が起こりやすいのは夏場で、あせもや虫刺されを掻いてしまうことで発症し、主に7歳未満の子供が発症します。
かさぶたや発熱がある痂皮性膿痂疹
主な症状 | かさぶた、発熱 |
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発症時期 | 年中 |
発症年齢 | 年齢関係無し |
溶レン菌によるとびひは、膿をもった水疱が出来た後、かさぶたになります。
この溶レン菌によるとびひは、黄色ブドウ球菌によるとびひよりも炎症が強く、発熱やのどの痛み、リンパの腫れを伴います。
さらに、溶レン菌による感染は、季節に関係なく年中発症しますし、大人でも感染します。
ママが気をつけなければいけないこと
とびひは適切な治療を行えば1週間で軽快します。
そこで、赤ちゃんがとびひを発症したときに、ママが気をつけなければいけないことをまとめました。
保育園はお休みさせるべき?
とびひは、第三種学校感染症に指定されており、医師による処置が行われた上、登園の許可をもらっていた場合、登園することができます。
また、園によっては登園の可否を定めているところもありますので、まずは保育園に確認してみましょう。
基本的な考えとして、とびひによって水疱から出てくる膿は、感染者を増やしますので、患部をガーゼ覆い、発症を防ぐケアをすることが大事です。
とびひは病院にいかなければ治らない
これらの症状は、抗菌剤を用いないことには完治しません。
大人も感染する危険性がありますので、家族に感染する前に、早目に医療機関を受診しましょう。
まれに、黄色ブドウ球菌や溶レン菌が脳に回り、ssss(ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群)などを起こす危険性もありますので、顔に水疱と発熱が見られた場合は、すぐに受診しましょう。
鼻をほじる癖のある赤ちゃんは要注意
鼻の中には、とびひの原因となる黄色ブドウ球菌などの常在菌がたくさん存在します。
子供は鼻をほじる癖がある上、皮膚が弱いため鼻の粘膜をすぐに傷つけてしまうので注意が必要です。
とびひは、目や鼻、口の周りから症状が広がることが多いので、顔に水疱ができ始めたらすぐに受診をしましょう。
また、虫刺されや掻き傷、擦り傷の傷口から菌が入り込み、感染する場合もあります。
赤ちゃんのとびひの症状と原因についてまとめ
とびひは、治療を行えば1週間で軽快する感染症ですが、ただの虫刺されなどと勘違いすると全身に広まったり、ssssを発症したりするなど、とても怖い病気です。
赤ちゃんの爪は常に短く切り、傷口にはガーゼをするなど、患部をかかないようなケアをし、とびひの発症を防ぎましょう。