

元気なはずの赤ちゃんが、体をボリボリ掻いていると「どうしたのかな?」と不安になってしまいますよね。赤ちゃんが体をよく掻くとき、体の中では、どんな症状が発症しているのでしょうか。
そこで今回は、赤ちゃんが体をよく掻く原因と主に考えられる6つの症状について紹介します。
赤ちゃんが体をよく掻く原因
赤ちゃんの肌のバリア機能が低下していると、ちょっとした刺激でかゆみを生じるようになり、また衣類や寝具を変えるなど、いつもと違う環境にいるだけでも刺激を感じることがあります。
また、鮮度の悪い魚介類など痒みの原因となるヒスタミンが増える食べ物を摂取すると、痒みが発生することもあるので注意が必要です。
まずは、痒みが発症する前後に、「いつもと違うことをしていなかったか」をチェックする必要があります。
スグできる痒みCHECK!!
- かゆみを繰り返しているか
- 発疹はないか
- 発熱はないか
- 口にいれたものは何か
- 周囲に感染病にかかった者はいなかったか
- 衣類は何を着ているか
赤ちゃんが体をよく掻く症状
赤ちゃんが感染や発症しやすい、痒みを生じる病気をまとめてみました。
1・黄色いかさぶたや膿がでたら「乳児湿疹」かも
乳児湿疹は、乳児期に発症する湿疹のことで、新生児ニキビや乳児脂漏性湿疹も、これにあてはまります。
産まれたての赤ちゃんは、母体ホルモンの影響により皮脂の分泌が活発となり、ジュクジュクとした湿疹が発症するのです。このような症状が出た際には、皮脂を綺麗に取り除き、酷いときにはステロイド治療などを行うこともあります。
2・かゆみと水疱が出たら「とびひ」かも
とびひは、虫刺されや傷口からバイ菌が入り、炎症をおこす病気で、接触感染によって発症もします。
患部はかゆみを持ちますが、掻いてしまうと病状が悪化するどころか、飛び火のように炎症が全身に広がる恐れもありますので、ジュクジュクをした水疱やかさぶたが発生したら、皮膚科を受診しましょう。
3・体中に痒みのある発疹が出たら「水疱瘡」かも
水疱瘡は、水痘帯状疱疹ウイルスによる感染症で、赤い湿疹があっという間に全身に広がってしまう病気です。
始めは赤い湿疹ですが、徐々にちいさな水ぶくれとなり、掻いてしまうと、跡が残ってしまいます。水疱瘡ワクチン接種を受けていないときに、小さな赤い湿疹が全身に広がったら皮膚科を受診しましょう。
4・大きく膨らんだかゆみのある湿疹なら「蕁麻疹」かも
蕁麻疹は、アレルギーなどにより発症する湿疹で、とても強いかゆみを発症し、500円玉程の大きなみずぶくれが、肌の柔らかい部分に出たり消えたりします。多くの場合は、原因不明の突発性蕁麻疹である可能性が高く、薬も効きやすいので早目に皮膚科を受診しましょう。
5・痒みと肌がカサカサしてきたら「乾燥肌」かも
乾燥肌は、初期の肌トラブルで、白い湿疹や肌のザラつきが気になってくる症状です。
生後4か月を過ぎた赤ちゃんは、母体ホルモンのバランスにより、肌が乾燥しやすくなってしまいます。この段階であれば、スキンケアを行うことで悪化を防ぐことができ、軽快していくので、早目に対策をとりましょう。
6・何度も痒みと湿疹を繰り返したら「アトピー性皮膚炎」かも
アトピーは、痒みを持った湿疹が発生し、治ったり再発したりを繰り返すようになります。
赤ちゃんの場合は、2か月以上このような状態が続くことでアトピーと診断され、アトピー性皮膚炎は短期間で軽快はせず、長期的な治療が必要になるので、発症する前にバリア機能を高めてあげましょう。
赤ちゃんが体をよく掻くときに気をつけたいこと

かゆみが強い時は、体を冷やしてあげましょう
赤ちゃんが体をボリボリ掻いてしまうときに気をつけたいことを紹介します。
熱いお湯に長風呂はしない
痒みが強い場合は、お風呂はぬるま湯で5~15分以内に済ませるか、シャワーだけにしましょう。
急激に体温をあげることで、痒みを強く感じさせてしまいます。しかし、皮膚炎の基本は肌を清潔にすることなので、1日1回は石鹸で汚れを洗い落としましょう。
爪や鼻ほじりに注意しよう
赤ちゃんの爪や鼻には、黄色ブドウ球菌や溶レン菌などの常在菌がたくさん存在します。
普段は悪さをしませんが、ストレスを感じたり、体調が悪かったりすると常在菌が悪さをし始めます。また、傷口から菌が侵入し、肌に炎症を起こすこともありますので、爪を短く切り、鼻をほじらせないように気をつけましょう。
赤ちゃんが体をよく掻く原因と症状についてまとめ
赤ちゃんが体をよく掻く原因はひとつではありません。
痒みだけの症状では、赤ちゃんの体に何が起こっているのかを特定することは、非常に困難と言えます。しかし、赤ちゃんのうちから肌のバリア機能を高めることで、今後の皮膚の炎症を減らすことができるので、早いうちからスキンケアを行うといいでしょう。