
乳児湿疹を発症する子はアトピーになりやすいという話を聞き不安になったことはありませんか?アトピーは治りにくい・苦しい思いをするというイメージが強いため、ママの心配も日に日に強くなっていくと思います。
そこで今回は、乳児湿疹になった子はアトピーに移行するのかについて紹介します。
乳児湿疹はアトピーに移行するとは限らない
乳児湿疹は、生後2週間~1才ごろまでの赤ちゃんに一時的に発症する湿疹です。
皮脂分泌の多い赤ちゃんはこのような湿疹を発症しやすく、乳児湿疹を全く起こさない赤ちゃんの方がとても少ないため、必ずしも「乳児湿疹=アトピー性皮膚炎」とは言えません。
しかし、ただの乳児湿疹が「実はアトピー性皮膚炎だった!」というケースもあります。大切なのは湿疹が治るのか、長引くのか、どのように変化していくのか赤ちゃんの状態をよく観察することです。
乳児湿疹が2か月以上治らないならアトピー性皮膚炎の可能性が
では乳児湿疹を発症する赤ちゃん全員が必ずアトピー性皮膚炎を発症しないのかと言われるとそうでもありません。
乳児湿疹が「2か月以上治らない」「治ってもすぐに再発するを繰り返している」という場合はアトピー性皮膚炎と診断されることもあります。生後間もない赤ちゃんの湿疹がすぐに治るものなのかアトピー性皮膚炎を発症しているのか見分けがつきにくいため、お医者さんでも100%わからないのです。
そこで乳児湿疹とアトピー性皮膚炎を比較してみましたので、受診の参考にしてみてください。
乳児湿疹
- 生後2~1才までに発症
- 顔を中心とした部位に発症
- ジュクジュク、水疱、膿を持つ湿疹
- ほとんどの赤ちゃんが発症
- 約3~4週間で軽快
アトピー
- 生後2か月以降
- 顔を中心に湿疹ができ、体全体に広がる
- 白く粉っぽくなり赤く小さな湿疹ができる。皮膚が固くなる
- 2~3才までに約80%の子が軽快
「乳児湿疹が治らないな…」と感じたら、すぐに皮膚科を受診すると安心です。
万が一アトピー性皮膚炎だったとしても、早期の治療でアトピー性皮膚炎を軽快させることができますので、ママがあまり深く悩まないようにしてくださいね。
赤ちゃんの肌のバリア機能を強化することがとっても大切
アトピー性皮膚炎が悪化しないためには、日ごろから赤ちゃんの肌に潤いを与えてバリア機能を強化することが大切です。
国立成育医療研究センター生体防御系内科部の「よくわかるアトピー性皮膚炎」によると、赤ちゃんのバリア機能を強化するためには保湿や入浴などのスキンケアや、部屋を綺麗にしておくなどの生活環境の改善が必要だと記載されています。
赤ちゃんにスキンケアを行うことでバリア機能が強くなれば、アトピー性皮膚炎の治療に必要なステロイドの刺激も少なくなり、早目に治療を終えることができると言われています。
赤ちゃんの肌に合う保湿剤や入浴剤であれば、メーカーは何でも構いません。肌の状態をよく見ながら、その子に合った保湿剤を見つけてあげましょうね。
まとめ
- 乳児湿疹=アトピー性皮膚炎ではない
- 乳児湿疹が2か月以上治らないときは受診を
- 日ごろからスキンケアをすると治療がスムーズに
生後間もない赤ちゃんの肌は皮脂分泌が多くなったり、少なくなったりと、状態が変化しやすい時期になります。一見、何でもなさそうに見えても皮膚では様々な変化が起きているのです。
ママが赤ちゃんにスキンケアを行うことで、肌の状態を安定させるための手助けができます。
赤ちゃんが幼い今の時期のスキンケアは、ママにとっても大変かとは思いますが、健康的な肌を育ててあげるために、少しの間だけ頑張ってくださいね。大丈夫、きっと良くなりますよ。